『スイート・マイホーム』前夜祭スペシャルイベントイベントレポート
上海国際映画祭、ニューヨーク・アジアン映画祭で上映した際は現地の映画ファンや関係者から大きな反響を呼び、絶賛の声が続出。そして明日の公開を前に、本日、前夜祭スペシャルイベントを開催!齊藤工監督と、本作の主題歌『返光(Movie Edition)』を歌唱したyamaが登壇した。
第13回小説現代新人賞受賞の注目作家・神津凛子によるデビュー小説を、俳優の斎藤工が映画監督・齊藤工として手掛けた『スイート・マイホーム』(公開中)。
その公開前夜祭スペシャルイベントが8月31日に都内映画館で実施され、齊藤工監督と主題歌『返光(Movie Edition)』担当のyamaが参加した。
海外の映画祭での上映を経て現在日本で公開中です。齊藤監督は「スタッフ&キャストの素晴らしいパフォーマンスが詰まっているので、早く観客の皆さんに見せびらかしたいという思いが先行しています」と完成に自信。yamaのブルーヘアに合わせて前髪をちょっとだけ青くしており「7%yamaということで…。すみません。笑いは取れませんでしたが映画は面白いです!」と釈明していた。
窪田正孝演じる主人公・賢二が「マイホーム」を手にするところから、幸せな一家に予想外の悲劇が襲い掛かるホラー・ミステリー。監督する上で意識した点について齊藤監督は「映画館という場所は部屋のような館。その映画館で本作に描かれる新築の家に観客の意識をどう閉じ込めるか。家を人のように描けたらいいと思いながら向き合っていました。人間の奥底にある内臓に触れたような作品で、窪田さんら役者陣もそこと向き合ってくれた」と狙いを明かした。
また監督としてのこだわりを「監督面をしないこと」という齊藤監督は「この映画に集まっていただいた役者の方々は底知れぬ表現の達人です。僕自身モニター越しにとんでもないものを見せてもらったと思うし、後半ではカットと言えないシーンが連続しました。役者としての同業として常に白旗を上げている状態だったので、監督面をしないということをモットーにしていました」と理由を説明した。
テレビアニメ『王様ランキング』のエンディング曲『Oz.』を聴いて以降、yamaのファンになったという齊藤監督。yamaの起用理由について聞かれると「エンディングを務められている別の作品を見たときに、本当の意味での主題歌を歌われている方だと捉えさせていただいていたので、この容赦のない物語を昇華してくれるのはyamaさんしかいない」と全幅の信頼。一方、舞台挨拶初登壇というyamaは齊藤監督の7%yamaの髪の毛を指して「舞台袖でもしかして…とは思ったけれど違っていたときに恥ずかしいと思って。でも嬉しいです!」と喜ぶと、齊藤監督は「少しでもyamaさんに近づければと思って」と照れていた。
yamaは本作について「ホラーが苦手な自分でも集中力を途切れさすことなく、作品の世界観にのめりこむくらいの引力があった。じわじわと緻密に追い詰められていく雰囲気に圧倒された」と怖さに太鼓判を押しながら「最後の最後に重たいものをもらった後に自分の楽曲が流れて…。この作品に関わることが出来て良かったと思った」と手応えを得ていた。
齊藤監督は完成した楽曲『返光(Movie Edition)』について「何度かラリーする中で早々にこれが完璧・完全なものという曲にたどり着いてくださった。この歌詞の言葉や意味、そしてyamaさんが乗せてくれた声と想いが映画を癒しで終わらせてくれる。奇跡のような体験をさせていただきました」と大満足していた。
そんな話題の楽曲をyamaがステージ上で生歌唱パフォーマンス。熱唱を聴き終えた齊藤監督は「贅沢な時間でした。たまらないです。最近老いがあるのか涙腺が危険。しかも四十肩でもあるので心もギュンギュンきました」と感激。yamaも「映画館で歌うのは初めてで緊張したけれど、作品の情景を思い浮かべて自然と感情移入して歌うことが出来た」とホッと一安心という表情だった。
最後に齊藤監督は全国公開に向けて「賞味期限のない作品が生まれたと胸を張って思っています。観終わった後はこの作品で感じたことを周りの方やSNSなどを通して言葉を添えていただけたら嬉しいです」と呼び掛けて「いい感じにレビューを書いてください。ほんとにそれが命です!」と口コミによる大ヒットを期待していた。
©2023『スイート・マイホーム』製作委員会 ©神津凛子/講談社